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思い残すことなど

拝啓 見知らぬあなたへ

最近の10首

夏頃はうっとうしかった前髪も冬にはホットココアに似合う


病院で吐くため息はいつもより重くてぼくは少しずつ減る


生命のしくみを知ったその朝に機械に生まれたかったと泣いた


夢を見た全部忘れた朝だった 手のひらをぎゅっとにぎりしめてた


俯いたぼくでも気付く 冬が来た 落ち葉がやさしく世界を包んで


かなしみのなみにおぼれる寸前の空には月が浮かんで見えた


明け方のぼんやりとした輪郭の世界ではしゃぐ鳥だけがリアル


眠たくて でももうずっと眠れずにきみの言葉の残響を抱く


枯れきった銀杏並木を大げさなコートで2人 手は繋げずに


風を待ち飛び立つ鳥の自由さは今年が終わることなど知らず