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思い残すことなど

拝啓 見知らぬあなたへ

1月2日の駄文

年が明けた。生きたまま2017年を迎えるなんて思ってもいなかったから、不思議な感じがする。実はもうとっくに死んでいて、自分だけが生きていると錯覚している。いつもそんな気分になる。きっと本当にそうなのかもしれない。

今日、病院に戻ってきた。病室はシンとしていて、自分の輪郭がはっきりと浮かぶようだ。等身大ということがどういうことか分かる。病室でイヤホンをして自分に篭りながらポチポチこんな文章を書くくらいが、今のわたしのせいぜいなんだろう。

さて今年について。
スタジオジブリの「風立ちぬ」で引用されてるヴァレリーの言葉を大切にしていきたい。


風が立つ。生きようと試みなければならない。


それは多分その通りなんだろう。
生きていく意思も動機も感動もない中にあっても、しかし、生きようと試みなければならない。理由もなにもなくても、勇気を持ってそう覚悟を決めるしかない。

勇気。
あとほんの少しの勇気で生きることも死ぬことだってできる。本当はそんな風に感じる。どちらに振るかは状況や環境や最後は運が重要のように思う。少しのできごとが、どちらにも背中を押し得る。

たとえば荒涼とした寂しい冬の海で岩場に座り込んで涙を流すようなとき、世界を祝福するような最高に美しい夕焼けを目の当たりにして、踏み止まるのか、踏み出すのか、どっちなのかわからない。

そんなときに、「生きようと試みなければならない」という言葉は、覚悟は、どれだけの力を持つだろう?
すべてを超越するほどの強さを発揮するだろうか?

わからないけれど、でも。
そんなことを考えている、新年2日目の、寂しいベッドの上。